空調冷熱システム事業 中途採⽤サイト

静岡製作所 インタビュー グループリーダー編②

三菱電機静岡製作所の生産技術職とは?

~内製部品の生産技術グループリーダーに聞きました~

組織・ミッションについて

▼ 組織構成・ミッションは?

パッケージエアコン(業務用空調機)製造部はいくつかの課で成り立っていますが、私の所属する課は試作開発管理、生産ライン運営・保全、内製部品の量産を担っています。
三菱電機のパッケージエアコンはさらなるクオリティの向上を目指し、ここ4、5年で急速に内製化が進みました。
私は内製部品のグループリーダーとして量産に向けたライン立ち上げや改善に携わり、ターボファンを1日1000個生産することに成功。

新型熱交換器においては400台の生産を静岡製作所内で目指しています。
内製化の意味するところはコストダウンではなく、
私達しかできない「新型の部品」を社内開発して量産すること。 だから当社の生産技術の仕事は、量産に必要なあらゆるプロセスをゼロから作ります。
設計とのすり合わせから入り、ライン立ち上げのために必要な場所の確保、生産手法の開発、設備の導入、空調や照明・・・などなど。
開発の上流から下流まで関わるため範囲が広い上に、深く製品性能に寄与できるというのは三菱電機ならではだと思います。

キャリアについて

▼ なぜ三菱電機に入社したのですか?

私は部品や素材は違いますが、生産技術の畑に長く携わり前職ではインド工場の立ち上げを任されていました。
特に仕事に対して大きな不満はなかったのですが、家族を残して勤務地を転々とするのは自分の考えとは反すると思い転職を決意。
もちろん前段で話した通り、三菱電機であればこれまで培ったノウハウを活かして、より大きな業務範囲にチャレンジができると思いましたね。

印象深いプロジェクト

▼ 印象深かったプロジェクトは?

特に記憶に残っている仕事は新しいターボファンの量産化です。
2014年頃に省エネ性・快適性を向上させた新たなパッケージエアコンをリリースしたのですが、その中に三菱電機ではまだ取り組んだことのない新しいターボファンを採用しました。
これが大変でした(笑)。

ターボファンは大きく3つのパーツで構成されており、それまでは一つの金型で作っていたのですが、

今回は特殊な翼形状を採用したことで、3つのパーツを別々に成形しそれを圧着する必要があったのです。なんとか試作を完成させたのですが、従来の工法では量産に時間が掛かり、製造のばらつきが大きく出てしまう。
3ヶ月間、様々なパラメータで実験を繰り返しましたが、それ以上の改善が見られずこの方向性をあきらめざるを得ませんでした。

振り出しに戻ってしまい頭を悩ませましたが、ゼロベースで考えよう、とメンバー達と次の手を探り続けていると
意外な案が浮かぶものです。「板金レーザー加工の技術を溶着に使えないか」という考えが浮かびました。

その板金加工ができる会社は自動車業界での実績はありましたが、エアコンはもちろんはじめて。
異業種の技術でも、やってみなければわからない。相手の社長自ら「一緒にトライしてみましょう」と快諾いただけチャレンジを続けました。
結果は大成功。独自のレーザー溶着でスピードも強度も基準をクリアすることができ、新型ターボファンの量産化を実現することができたのです。

このレーザー溶着の設備は国内だけでなく、タイ工場にも展開・導入できることになりました。
自分たちが工夫した技術が海を越え、新型エアコンの量産に役立てられたことはやはり嬉しかったですね。

今後の展望

▼ 大事にしていること

上記プロジェクトの通り、壁にあたった時にはゼロベースで考えるようにしています。
今はラインが安定稼動していても本当にこれがベストか?とゼロベースで見直すといろいろと改善できるところが見えてくるものです。
設計が固まる前から議論に参加できるので、大変ですが「ベストな生産ラインとは?」を考え周囲にぶつけ、
部署を超えていいものを作っていくプロセスは面白いと思いますよ。
行き詰まっても大丈夫です。全国の生技ノウハウを集約する生産技術センター、先端技術総合研究所など頼れる組織・人がたくさんいるので、ヒントは確実にもらえます。

▼ 今後について

直近の課題は内製部品の量産精度を上げていくことです。
併せて推進したいのは、社内資料のペーパーレス化。タブレットで業務と工程を管理できたら工場全体の生産性を大幅に高められるからです。
会社から投資してもらえる環境なので、積極的に生産技術・生産管理の新しいトライをしてみたいと思っています。
個人的には生産技術・生産管理の長年の経験を体系化し、プロジェクトの進め方など会社のノウハウとして残していきたいと思います。
中途入社者も増えているので、ぜひ後輩達に知見を伝えながらよりよい会社を作っていきたいですね。

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*1:※ 役職・記事内容等は、取材当時のものです。